2019.07

三美印刷株式会社 様

PDC-SRに更新し、既設機ともCMSの連携を実現

  • 前田 明人
    総合工場部 部長
    前田 明人 氏
  • 鶴岡 一弘
    総合工場部印刷1課 課長
    鶴岡 一弘 氏
  • 和田 崇
    総合工場部印刷2課 課長
    和田 崇 氏

的確な対策で両面機のPDCをレトロフィット

三美印刷㈱は1895年創業、1949年設立。老舗として学術出版に強く、近年はこの分野独特の高精度なカラーへの対応力が顧客の支持を集めており、同時にそれが商印での強みともなっている。
同社では、高度に管理された確かなカラー環境を顧客に提供することを推進し、常に印刷機や周辺機器の増設・更新に努めてきた。
現在、カラー印刷機のラインアップはいずれもKOMORI機で、今回PDC-SRに更新したリスロン40SPと、昨年5月に導入したH-UV搭載リスロンG40(菊全判5色オフセット枚葉印刷機)、H-UVを後付けしたリスロンSX40(菊全判4色オフセット枚葉印刷機)、リスロンS32(四六半裁4色オフセット枚葉印刷機)の4台の体制となっている。40SP以外の3台に搭載するPDCシリーズは、それぞれの印刷機導入時期により異なり、「PDC-SX」 「PDC-SⅡ」 「PDC-Lite Ⅱ」 が搭載されている。
これまでH-UV機と油性機が混在する環境で、各PDCを駆使した自社基準のカラーマネジメントを順調に進めていたが、最も導入時期の早いリスロン40SPに搭載されていたPDC-Sに対し、ヘッドメーカーによるサポートの終了が発表された。いち早く対応をKOMORIと模索していた同社では、スムーズにPDC-SRへの更新を行なった。

「見える化」が向上
CMSが他3台と同レベルに

PDC-SRへのレトロフィットから1年以上が経過し、前田部長は 「PDC-SRにより、まずは従来と同様の色の合わせ込みが、より短時間でできるようになっています」 と基本性能を評価する。
「最新の機能が活用でき、作業性の向上が図れています。また、測定できる項目がかなり増えており、印刷の状況の把握もしやすくなっています。これまでより、詳細な『見える化』 が実現しています」 と導入の手応えを感じている。
「具体的には、従来よりも数値やグラフの表示方法がシステム化され、インキ濃度やドットゲイン、トラッピングなどの状況がきめ細かく把握できるとともに、ダブり、スラーの発生など、印刷機の状態の確認がしやすくなっています」 と、印刷機の変化への対応や、メンテナンスの必要性も把握しやすくなっているという。
「チャート版を印刷して一度測定すれば、印刷機のコンディションを数値としてつかむことができます。インキ濃度やドットゲインなどはグラフで表示することもでき、基準との対比を視覚的に確認することが可能です。こうした機能を活用すれば、ローラーの交換時期やインキ選択、工場内環境などを判断できます。印刷物の品質がいま一つの時や、さらに色を合わせ込みたい場合、打つ手が明確になります」 と、前田部長は語る。
他機に搭載のPDCシリーズはいずれもPDC-SRよりグレードアップされた新しい機種で、すでに各印刷機では詳細な数値管理を行なっており、PDC-SRへの更新により、リスロン40SPでも同様のレベルに引き上げられることになった。現場を統括する鶴岡課長は 「もしPDC-SRに更新できなければ、ハンディー型の端末で測色し、印刷機側での調整を繰り返さざるを得ない手順となることも考えられました。レトロフィットが実現し、本当に良かった」 と導入の効果を実感している。

再版データが呼び出しやすく時短や損紙削減にも効果

作業性について鶴岡課長は、リピートものの色合わせ・刷り出しが容易になっているという。 「当社の濃度基準に対して各色で上下を指示された場合、その品目ごとの記録と呼び出しが非常に簡単になっています。 濃度変更後の刷本を測定し、ジョブ名ごとに自動的にその数値を更新する機能があります。ジョブ名の入力も楽で、記憶量も大幅に増えており、毎月の定期ものの対応に有効です」 と説明する。
またシステム運用のリーダー、和田課長は 「以前はキーボードのテンキーから数値を入力して濃度調整を行っていましたが、PDC-SRではタッチパネルのプラスとマイナスのボタンから調整でき、しかもその変更をモニターで即座に確認できます。それにより本刷りをスタートさせるかどうかの判断がしやすくなりました」。また 「トータルでの色調確認作業にかかっていた時間が短縮。損紙削減にもつながっています」 などと、さまざまなメリットを挙げた。

KP-コネクトとの統合も構想
全社最適化の一翼にも

今回のレトロフィットの効果を生かし、前田部長は今後、どのような工場の姿を描くのか。
「各PDCにより、当社の色基準やジャパンカラーなどの標準色、顧客の基準色などの基準に対し、マッチングされた印刷物であることを数値で証明できる態勢となっています。今後ますます顧客の要求が厳しくなろうとしている中、それらの数値を品質保証書として提出することが可能です。まもなくそんな時代が来るのではないかと思っています。また、当社のカラー機には、インラインのカメラにより印刷不良を発見するシステム 『PQA』 を搭載しているものがあります。PDCとPQAを搭載した印刷機での印刷を指定する顧客も増えています。今後は、この2つのセットでの運用を強化していきたいと考えています」 と話す。
一方で、「スマートファクトリー化」 にも弾みをつけたいという。
「リスロンG40を導入したのを機に、KP-コネクトによるネットワーク化も開始しています。これに現在開発中の新しい社内基幹システムを結び付け、受注や見積もり、工程管理、印刷機の情報などすべてを統合管理し、小さな改善を進めながら、最大限に最適化されたスマートな企業をめざしていきたいと考えています」
前田部長は生産の現状を 「過渡期」 と位置付けている。「社員は導入された新しいシステムを通して、今後の方向性を感じ取ってくれています。未来に向かって同じ方向を向いてくれている雰囲気が心強い」 と笑顔を見せた。

色調管理をクライアントから要求されるようになった今、PDC-SRによる詳細なデータが確かな品質保証となっている。

三美印刷株式会社

本社:京都荒川区西日暮里5-9-8
総合工場 : 東京都荒川区町屋6-32-7
TEL / 03-3892-3311

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